<地域包括ケアで石巻の復興!市長を目指すわけ>
私が唱えた地域包括ケアは、医療や介護を住宅政策や地域の暮らしと総合的に考えるという仕組みです。これは今でも石巻市の最重要政策に位置づけられています。石巻市は、「地域包括ケア」を掲げることで様々な復興予算を国から獲得してきています。私は、包括ケアセンター長という名前でそこに関わってきましたが、言い難いことではありますが、残念ながらその実情は通常のいわゆる縦割り行政となってしまっており、十分に皆さんの期待に応えられるものではなかったと考えています。住宅を作るところは住宅建設、管理をするところは住宅管理、被災者支援をするところは生活支援課、医療や福祉は福祉総務課・社会福祉協議会、被災者支援は生活再建課、そして私たちは地域包括ケア。この様に行政の縦割りの中で、住民の皆さんの望みや期待に応えることができなかった、あるいは一緒に取り組もうとすることができなかった、そういうケースがたくさんありました。先程山崎会長からお話を頂きましたが、私は自治的な機能、仮設住宅のときから頑張られた地域の代表である方々と連携することが大切だと考ています。行政のしくみ作りをしていく中でも、被災された当事者の方々に参加して頂くことが大切であると考え、石巻の地域包括ケアの推進に取り組んできました。しかし、最終的には首長・市長がどう判断するのか、市役所というものはそういった構造にあります。私は、多くのみなさんの意見、あるいは皆さんの状況をお伝えし、その改善をはかるための施策をたくさん提案してきましたが、そのほとんどは実現されなかった。10年たって、市長が変わる、市の目玉政策だった地域包括ケアも位置づけが変わっていくことが確実です。その中で私の仕事は終わったのかというふうに思いましたが、この度、今回このように市長選を目指すという決断をさせていただきました。(拍手) 私が思うところ・・・
~ふるさと(うさぎおいしかのやま、忘れがたきふるさと)~
<ふるさとで家で最期まで暮らせるように>
私は先ほどお話したようにふるさとを持ちません。みなさんは10年前、たくさんのものを失い、ふるさとを失った方々がほとんどだと思います。そのふるさとを、こののぞみ野を蛇田地区を第二のふるさととして最後まで暮らして頂きたい。そういった仕組みが地域包括ケアであり、私がもっぱら行ってきた在宅医療です。
私は先ほど、消滅する村落の方々の最後を支える仕事をしていたとお話ししました。そのことを、石巻でも実現していきます。在宅医療日本一ということを政策の中に入れていますが、長野で私がいた地域は、全国1700の自治体の中で日本一の在宅死を実現しています。最後まで住みなれた地域で暮らせる、そして最後を迎える命も輝かせる、そのような石巻を目指します。